器の小さい男

日常
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買い物して会計するときにどのレジに並ぶのか、けっこう悩みます。

「絶対こっちの方が早い」と思って並んだのに、後から来た人が隣の列で先に会計を終わらせようものなら、言いようのない敗北感に襲われてしまいます。

この日もそうでした。

私は飲み物ひとつ手にしてレジへ向かいました。

レジは2つ開いていて、どちらも1組づつのお客さんが会計中。

とりあえず商品が少なそうな親子連れの後ろへ並び、

少しして、隣のレジにも男性客がひとり後ろに並びました。

隣の男性客は、作業服を着た、茶髪でやたらと焼けてるやんちゃな感じのお兄ちゃん。

私の中で自動的に脳内レースがスタートしてしまいました。

どちらのレジも何だか手間取ってるようで、なかなか進まない一進一退の攻防。

私の前の親子は、カプチーノやら何やら注文して、あーじゃない・こーじゃないとリクエストが終わらない様子。

そうこうしているうちに隣のレジでは会計がすすみ、私のライバルのお兄ちゃんの番になってしまいました。

「読み違えた…、飲み物ひとつでこんなに待たされるなんて…」

表情に出す事はなかったものの、勝負に敗れた私の心の中は悲しみと憤りでいっぱいでした。

ところが、

隣のお兄ちゃんは私の方を見て、「あちらの人が先ですよ」と店員さんに案内しているではありませんか。

え?なにごと?

同じ列に並んでいて、新しいレジが開設されたとかなら分かるけど…

「お先にお待ちの方どうぞ」と店員さんが言っているにも関わらず、順番を無視して滑り込もうとする人もいるというのに…

はたと我に返り、「あっ… 、おかまいなく…」と言ってみたものの、

「どうぞ、どうぞ」と手招きしているお兄ちゃんは譲る気配もなく…

「すみません…」と先に会計させてもらい、お兄ちゃんは代わるように私が並んでいた列へ。

帰り際、会計中だったお兄ちゃんに「ども、ありがとうございました」と一声かけると、

「あっ、全然」と、はにかむように笑っていました。

勝手に脳内レースで勝負し、あまつさえ勝利の暁には思いっきり勝ち誇るつもりだった私には、

お兄ちゃんの笑顔は死ぬほどまぶしいものでした。

世の中捨てたもんじゃないなと感動しながら、

捨てた方が良いのは私自身の小さい器だなと痛感してしまった、

とある一日の終わりの出来事でした。

COMMENT

  1. sora より:

    感動しましたよ~(*^^*)
    いい人って、見た目じゃないですね♪
    ちなみに、私もTANA さんと同じことしてます(^^ゞ
    空いてるレジに並んで、ふと店員さんの名札に、若葉マークなどを見たときの敗北感と
    頑張ってくれ~の淡い期待感を心の中で抱いてます。

    • tana より:

      私は見た目だけは「いい人」って言われるんですけどね~…
      いつも、「見た目だけだね」って言われます…

  2. KUORA より:

    いいはなしだなぁ

    私もTANAさんと同じだわ
    別に急いでるわけじゃないのに
    自分が並んだ列が進まないと負けた気になるもん
    てか
    スーパーやコンビニのレジって
    その人の人間性がモロに出るね
    気をつけよっと

    • tana より:

      きっと色んな所でその「人間性」ってのを発揮しているんだろうなって考えるとゾッとします…
      もっと背筋を正して清く生きていこう!と、3分くらいは思う事できるんですけど…

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